学習障害〔LD〕
知能は正常範囲内で、全般的な知的発達に遅れがないにもかかわらず、聞く、話す、読む、書く、計算する、推論するなどの能力のうちで、特定の学習能力に困難を示し、さまざまな症状を示します。「Learning Disability」の頭文字を取って「LD」とも呼ばれ、中枢神経系のなんらかの障害に起因すると考えられています。専門機関の援助を受けながら普通学級などで学習が進められますが、障害の程度が比較的軽いため、周囲の無理解からいじめの対象になることも多く、調査・研究・適切な支援への対応が求められています。
学級崩壊
1990年代半ば、現場の教員やマスメディアなどから指摘された学校の問題の一つ。特に小学校低学年の授業が成立しない状況を伝えた1998年8月のNHKの番組は大きな衝撃を与え、実態把握および回復に向けての動きが活発化しました。2000年3月、文部省(現・文部科学省)から委嘱された学級経営研究会が最終報告を作成し、学級を、新たに創造すべき生活・学習集団、ととらえ、「学級がうまく機能しない状況」の10パターンのケース類型と事例紹介、回復事例と回復のヒントを提示しました。
環境ホルモン(内分泌撹乱化学物質)
環境中に存在して、体の働きを調整するさまざまなホルモン(内分泌物質)の働きを乱す化学物質。ごく微量であっても体への影響は大きく、男子の精子数が減り、ある種のがんの増加だけでなく、生殖異常によって後世への影響も心配され、長期的な観点から対応が望まれています。代表的なものだけでも、ダイオキシン、DDT、PCB、有機スズ化合物など約70種類もあり、各省庁で総合研究が進められています。
休日保育
日曜・祝日に仕事がある場合、子どもを預かってもらえます。指定保育所で実施さ
れています。指定保育所が通園している以外の保育所でも、預かってもらえる場合が
あります。
健康保険(証)
日本の医療保険制度は、サラリーマンを対象とする被用者保険と、それ以外の人々を対象とする国民健康保険の2つに大別されます。被保険者には、それぞれの被保険者証(保険証)が交付されます。医療機関にかかったとき、この保険証を提示すれば、被用者保険の場合は2割(被扶養者は外来3割、入院2割)の自己負担で必要な治療が受けられます。同様に、国民健康保険の場合は3割の自己負担となります。
健診(乳幼児健康診査)
乳幼児の健康管理や病気などの早期発見、生活習慣の自立などのために各種の健康診査が行われています。健診は、成長段階に応じて、生後1か月健診、生後3〜4か月健診、6か月、9か月健診、1歳6か月健診、3歳児健診などがあります。各市区町村が直接あるいは医療機関などに委託して行い、料金は無料です(医療機関による任意の有料の健診もあります)。
誤飲事故
赤ちゃんは、ハイハイを始めて行動範囲が広がり、手指の機能が発達してくると、なんでも口の中に入れてしまうようになります。万が一、異物を飲み込んでしまったときには、吐かせる(石油製品、接着剤など吐かせてはいけないものもあります)、口の中を洗う、病院へ連れて行くなど、素早く適切な処置を行うことが大切です。
公園デビュー
乳幼児期の子どもをもつ母親が初めて公園に子どもを連れていくことを、デビューと表現した言葉。この言葉の背景には、すでにグループが成立している公園のほかの母親たちとのコミュニケーションへの不安、新参者に対する排除的対応への葛藤など、母親の人間関係の難しさ、孤立感などが考えられます。
合計特殊出生率
1人の女性が一生のうちに生む平均的な子どもの数。15歳から49歳までの女性の年齢別出生率(各年齢の人口のうち出生を経験する人の割合)の合計から計算されます。1970年代半ば以降、2.08(国として人口の増減のない状態)を下回り、1999年には1.34まで落ち込んでいます。このままの減少ペースが続くと、日本の総人口は2007年をピークに減少に転じ、2050年には1億人、2100年には6700万人になると予測されています。
子どもの権利条約
1989年、国際連合は前文と54条からなる「子どもの権利条約」を採択しました。この条約では、「18歳未満のすべての者」を子どもとし、子どもに保障されるべきあらゆる権利を規定しています。特に、親の指導を認めつつも、子どもの意見表明権や表現の自由などに言及することで、子どもを権利行使の主体としてとらえた点において画期的な条約だと言えます。日本では、「児童の権利に関する条約」として1994年に批准(国家がある条約に同意することを最終的に表す行為)、世界で158番目の批准国となりました。
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