すぐに本文を読む
i-kosodate.netロゴ
文字拡大・読み上げ
困ったときには
お知らせと更新
  預ける、利用する 子育てする 集う、参加する 知る、調べる プロになる
 
子育て関連情報
赤ちゃん
 
学校保健

 はじめに

 目次

 本文

赤ちゃんのケアと気がかり

予防接種

乳幼児健診

乳幼児によくある病気

「食育」ってなんだろう

子どもの事故予防に取り組む

日本小児保健協会発信情報Top

 
日本小児保健協会発信情報
学校保健
学校検診

生活習慣病検診
目次へ 【生活習慣病とは】
   「生活習慣病」というのは、これまで「成人病」と呼ばれていたものです。1996年、厚生労働省により「成人病」から「生活習慣病」への改称が提唱されました。
 その概念を表1にまとめました。高脂血症、高血圧、2型糖尿病(注1)、肥満などの生活習慣病が小児・思春期にすでに存在する場合、小児・思春期生活習慣病といいます。
 生活習慣の西欧化に伴い、年々増加しています。


表1 小児・思春期生活習慣病の概念
1. 成人の生活習慣病(成人病)
1) 死亡原因として多いもの
癌、虚血性心疾患、脳卒中
2) 有病率(病気の頻度)の高いもの
    高脂血症、高血圧、
2型糖尿病、肥満
2. 小児・思春期生活習慣病
(小児・思春期にすでに存在する生活習慣病)
高脂血症、高血圧、2型糖尿病、肥満
  ▲Page Topへ
目次へ 【生活習慣病の予防】
   生活習慣病は不適切な生活習慣が主要な原因であるため、その予防には小児期から健康的な生活習慣を身につけることが必要です。この観点から、生活習慣病の検診システムを取り入れる学校が増えてきました。
  ▲Page Topへ
目次へ 【小児・思春期生活習慣病検診の実際】
   学校での尿検査は全国で義務づけられていますので、糖尿病の発見に有用な尿糖検査は全校で実施されています。肥満を判定して通知を出している学校も増えています。
 しかし、血液検査による小児・思春期生活習慣病検診が実施されている地域は全国で三十数地区にすぎません。
 痛みをともなう採血をすることがその普及を妨げていると思われます。
 ご両親たちの了解を得ることはもちろん、学校、自治体の教育委員会、医師会の連携が必要となります。

 検査項目は予算の問題を含めて地域の事情により異なりますが、

総コレステロール
HDL(善玉)−コレステロール
中性脂肪
血糖
HbA1c
GPT
GOT
尿酸
血圧測定
  などです。
  ▲Page Topへ
目次へ 【肥満の判定】
   小児・思春期生活習慣病の中で一番頻度の多いのは肥満症です。

 成人の肥満の判定には、BMI (body mass index) が用いられます。乳幼児のカウプ指数と同じく、体重 (kg) ÷身長(m)2で計算されます。
 ところが、BMIの標準が22であるのに対しカウプ指数の標準が15〜18であることからもお分かりのように、子どもにBMIを適応すると、年齢により標準値が変わってしまいます。
 したがって小児思春期の肥満判定には、年齢別・性別・身長別標準体重表を使って算出される肥満度を用います。同表に基づいた肥満度判定曲線もあります。

 肥満度20%以上が肥満と判定されます。
  ▲Page Topへ
目次へ 【肥満がなぜ悪いか】
   では肥満がなぜ悪いのでしょうか。

 一例として、東京都世田谷区小中学校での、肥満度30%以上の肥満児における検査異常の出現率(表2)に示します。半数以上(60%)にすでに検査値の異常を認めています。
 このことは、小児・思春期生活習慣病が単に成人の生活習慣病の予備軍であることにとどまらず、すでに治療の対象疾患であることを意味します。
  ▲Page Topへ
目次へ 【肥満を指摘されたら】
   肥満を指摘されたお子さん、特に高脂血症、虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症)、脳卒中、2型糖尿病の家族歴があるお子さんは、病院で検査を受けられることをお勧めします。
 できれば、内分泌・代謝外来がある小児科、または管理栄養士がいて栄養指導が受けられる病院が望ましいと思います。
  ▲Page Topへ
目次へ 【大事なことは】
   小児・思春期生活習慣病検診が全国レベルで実施されるには、まだ時間がかかりそうです。
 肥満を含め小児・思春期生活習慣病は、生活習慣の改善により十分正常化が可能です。
 異常を指摘されたら、積極的に医療機関で診察を受け、根気良く生活習慣の改善に取り組むことが大事です。




注1 2型糖尿病とは?

 糖尿病は、からだによる糖分の利用が障害され、治療しないでおくと慢性的に高血糖が持続する病気です。
糖尿病を大きく分けると、以下の2つに分けられます。 (インスリンは、糖の利用を促進して血糖を下げる作用があります。)


1型糖尿病(インスリン依存型糖尿病)
インスリン分泌が低下して起こる。
2型糖尿病(インスリン非依存型糖尿病)
  インスリンに対するからだの反応が低下して起こる。 2型糖尿病は遺伝的要因が強く(家族性)、肥満である場合が多く、生活習慣病の一部と考えられています。



表2 肥満によっておこる合併症と
   その頻度(肥満度30%以上)


1. 高脂血症 (高コレステロール、高中性脂肪) 
             頻度40%
2. 高血圧
成人基準を用いた場合 頻度2%
小児基準を用いた場合 頻度20%
3. 肝機能異常  頻度10% 男>女
4. 2型糖尿病
空腹時血糖測定による判定では
 境界型(※)    頻度2.5%
 糖尿病       頻度0.5%
ブドウ糖負荷試験(OGTT)による判定では
 境界型(※)    頻度25%
 糖尿病       頻度4%
 高インスリン血症  頻度80%
5. 1〜4の脂質、高血圧(小児基準による)、肝機能、空腹時血糖のうちいずれかの異常をしめすもの    頻度60%
(OGTTを実施すると、異常値の頻度はさらに増加)
6. その他
胆石、腎結石、痛風(高尿酸血症)、月経異常、腰痛、大腿骨頭すべり症、心理的圧迫




1、2、は動脈硬化、さらには心筋梗塞、脳卒中、壊疽、腎臓病の危険因子。
4、は、網膜症、腎症、神経症などの微小血管合併症や動脈硬化に伴うすべての合併症の危険因子。


境界型とは
血糖値が正常でもなく糖尿病でもない、糖尿病予備群です。



  ▲Page Topへ

文責/日本小児保健協会


BackTop
   
月と潮のカレンダーへくらしの歳時記へ
ホーム
サイトについてリンク集サイトマップ問い合わせ
 
  Copyright 財団法人こども未来財団 All Rights Reserved.