学校検診
学校心臓検診
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【はじめに】 |
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心臓病の症状は、よほど悪化しないと、体がつらい、呼吸が苦しいなどの自覚症状は出現しません。
一方、学校は体育や運動クラブを通してスポーツを学ぶところでもあります。そこで、心臓病の早期発見を行うと共に、学校での適切な運動生活管理を行うことを主な目的として、昭和48年に学校保健法施行規則が改訂され、学校心臓検診が全国の学校で行われるようになりました。
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【検診の実際】 |
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検診の具体的方法は、各市区町村の教育委員会によって若干異なります。
一般的には、小学校1年生、中学校1年生のときに行われます。検診は1次、2次、3次と分かれます。
1次検診は学校で行われ、省略心電図(病院で行う心電図検査を簡易化したもの)、アンケート調査(これには川崎病についても含まれます)が基本で、これに、心音図(心臓の音を記録する)、胸部X線写真を加える自治体もあります。また1次から医師の聴診を行うところもあります。
1次検診の原則は、「疑いは2次検診へ回し、異常を見落とさないこと」です。
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【2次検診を勧められたときには】 |
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1次検診の結果、2次検診の受診を勧められても、心臓病だと決めつける必要はありません。
このことは強調したい点です。
但し、勧めに従って受診をし、適切な指示を受けることは必要です。
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【2次・3次検診の役割】 |
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2次検診は、1次検診で詳しい検査を受ける必要があると認められたお子さんの検診を行い、医師の診察、標準的な心電図(運動負荷心電図を加えるところもある)を行い、さらに詳しい検査が必要か否かを判断します。
3次検診は、小児心臓病を専門に扱う病院において詳しい検査(超音波検査、ホルター24時間心電図、トレッドミル運動負荷試験など)を行い、心臓病の診断、学校での運動生活管理の方針決定を行います。
しかし、2次・3次検診のシステムは、各市区町村で異なり、責任を持って3次検診まで行ってくれる自治体もあれば、1次検診後は各個人に任せてしまう自治体まで、様々です。
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【検診で見つかる心臓病】 |
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学校心臓検診で初めて異常が発見される、という例は少なくありません。
最も多いのは不整脈で、その中でも上室性期収縮、心室性期外収縮が多くみられます。
先天性心疾患の中では、心房中隔欠損症が見つかることが結構あります。
その他、心筋症といわれる心筋の病気も時に見つかります。
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【学校での運動・生活の指針】 |
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心臓病のお子さんに関する学校での運動・生活に関する指針が、日本小児循環器病学会から出されており、それをもとに、学校での運動などについて、小児心臓病専門医から指導がなされます。
この学会の指針は、運動の内容、学校行事を細かく分けて表にまとめたもので、これに医師が記載して、病院、両親、学校で保管するようになっています。
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【まとめ】 |
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1次検診の結果、2次検診を受診するよう通知がくると、本人はもちろんのこと、親も心配でたまりません。不安のあまり夜も眠れない、という方もいらっしゃいます。これは当然のことであり、このことを検診施行側は十分に踏まえる必要があります。
それには、1次検診だけでなく、2次・3次まできちんとフォローする体制を、行政側は作る必要があります。
また、学校心臓検診には限界があり、全ての心臓病が発見されることはない、ということも心に留めておかなければなりません。
しかし、学校心臓検診の制度が、学校生活の安全性の向上、心臓病の早期発見に大きな貢献をしている、ということは確かなことです。
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