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子どもの事故予防に取り組む

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子どもの事故予防に取り組む
   
目次へ 2 .事故予防に取り組むとは
   子どもの事故は頻発しています。事故に遭わない子はいないといっても過言ではありません。事故は起こってからでは遅く、未然に防ぐことが大切といわれてきました。
 しかし、子どもの事故の予防として現在まで行われてきたことは保護者への注意喚起でした。「危ないですよ」「気をつけて」「子どもから決して目を離さないで」「ちょっとした気配りが大切」などと言われてきましたがほとんど効果はなく、事故は一定の頻度で発生し続けています。
2−1 事故予防の基本的な考え方
   子どもの事故はなぜ起きるのでしょうか? それは子どもが日々発達するからです。昨日できなかったことが今日できるようになるから事故が発生するのです。
 いろいろな研究から、安全教育はほとんど効果がなく、環境の整備や製品の改善が事故予防には効果的であることが明らかになりました。具体的な例を挙げてみましょう。2〜3歳の子どもは、医療機関で処方された水薬を一気飲みしてしまうことがあります。薬は過量に摂取すると中毒を起こし危険です。この事故を防ぐにはどうしたらいいのでしょうか?
 下の図(B)を見てください。「薬の保管には十分気をつけて」と何度指摘しても効果はありません。「使用後は薬瓶は必ず薬棚に入れて施錠してください」と言っても、たまたま出ているときに子どもが見つけて飲んでしまうのです。このような指摘をするより、セーフティキャップの薬瓶を使用すれば、ある程度目を離していても水薬の誤飲を予防することができます。 セーフティキャップ薬瓶とは、薬瓶のフタを強く押し付けてから回さないと開かない薬瓶で、薬の誤飲が発生しやすい年齢層の子どもには開けることができない、あるいは開けることが困難な瓶です。この薬瓶を使用すると、水薬の誤飲の発生率は半分になるとイギリスから報告されています。最も安全な状況とは、一瓶の中に入っている薬の量を致死量以下にすればいいのですが、現実には不可能です。
図(B)
 一般的な事故予防活動を下の図(A)に示しました。この図に示した矢印の方向に向かって予防活動を展開する必要があるのです。すべての事故について、いろいろな予防策をこの座標軸の上に書き込んで検討してみることが必要なのです。「目を離さないで」ではなく「目を離しても安全な環境を作る」ことが大切なのです。
図(A)
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文責/日本小児保健協会
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