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目次へ 4 .窒息の予防
   子どもの事故の中でも重症度が高いのが窒息です。窒息は瞬時に発生し、5〜6分間気道が閉塞されると死亡することもあります。乳幼児、老人、障害児では、食物による窒息がおきやすく、窒息の予防、また処置について知っておくことが必要です。
4−1 乳幼児の窒息による死亡の実態
   わが国の乳幼児の窒息死(平成10年)をみると、0歳は197名、その内訳は、ベッド内での不慮の窒息および絞首が75名(38%)、胃内容物の誤嚥が55名(28%)、気道閉塞を生じた食物の誤嚥が40名(20%)でした。1〜4歳では59名が死亡し、後者2つで28名(47%)が死亡しました。
「胃内容物の誤嚥」による窒息の原因がミルクとされている場合には、ミルクが窒息を引き起こした直接の原因であるのか、あるいは死戦期の変化として解剖時に気管内にミルクが認められただけなのか判断することはたいへんむずかしいものです。
 脳性麻痺、精神運動発達遅滞、喉頭部の奇形など、基礎疾患がある乳児では窒息の危険性が高くなります。
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4−2 窒息をきたす原因
   乳幼児や重症心身障害児に窒息がみられやすい理由としては、1)乳児では臼歯がないため、食物を噛んで、適切な大きさにすることができない、2)食物を大きいまま飲み込むために詰まりやすい、3)食べているときに、走ったり、遊んだり、笑ったり、泣いたりするので詰まりやすい、4)障害児では、嚥下障害があったり、喀出力が弱く詰まりやすい、などがあげられています。
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4−3 窒息を引き起こしやすいもの
   食物では、コンニャクゼリー、ブドウ、プチトマト、生のにんじん、棒状のセロリ、リンゴ、ソーセージ、肉片、コンニャク、ちくわ、ポップコーン、ナッツ、丸いキャンデー、餅、おせんべいなど。また、風船で窒息することもあります。
 幼児では、身につけたオモチャや衣服のひもが首にからまって窒息することもあります。
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4−4 乳幼児の口に入るものをチェック
   食物による窒息は、口に入ってから起こるという点では誤飲と共通しています。ご紹介した誤飲チェッカー(最大口径39mmの円筒)を使用して、窒息をおこしやすいものの大きさをチェックしてみてください。
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4−5 窒息を予防するには?
 
(1) 気管支異物の危険性があるので3歳になるまではピーナッツなどの豆類、ピーナッツを含んだせんべいやチョコレートは食べさせない。
(2) 仰臥位、歩きながら、遊びながらものを食べさせない。
(3) 食物を口に入れたままの会話、テレビや漫画をみながらの食事はさせない。
(4) 急停車する可能性のある車や揺れる飛行機の中で豆類は食べさせない。
(5) 小さな食物塊やおもちゃなどを放りあげて口で受けるような食べ方や遊びをさせない。
(6) 食事中に乳幼児がびっくりするようなことは避ける。
(7) 乳幼児の食事中はいつもそばにいて観察する。
(8) 乳幼児に、食べることを強制しない。
(9) 年長の子どもが乳幼児に危険な食べ物を与えることがあるので注意する。
(10) 乳幼児向けの食べ物は適切な大きさに切り、よく噛んで食べさせる。
(11) 嚥下障害をもつ心身障害児では食物による窒息が起こりやすく、十分な注意が必要である。
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文責/日本小児保健協会
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