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目次へ 6 .自動車に乗るときの安全
6−1 交通事故の実態
   2004年の交通事故の発生状況をみると、発生件数は約95万2千件、事故後24時間以内の死者数は7,358人、負傷者数は約118万3千人でした。死者数は前年にくらべ344人減少しましたが、発生件数と負傷者数は過去最悪の数値でした。このデータでみるように、交通事故はますます重要な健康課題となっているのです。
 同年の15歳以下の交通事故による死者数は、自動車乗車中が72人、自転車乗車中が58人、歩行中が77人でした。負傷者数は、自動車乗車中が約3万2千人、歩行中が約1万9千人、自転車乗車中が約2万8千人となっています。歩行中は少しずつ減少していますが、自転車乗車中は変化なく、自動車乗車中の死傷者数は年々増加しています。
 では自動車乗車中の事故について考えてみましょう。
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6−2 チャイルドシートの役割とその効果
   子どもを持った保護者の集まりで「子どもが自動車に乗っていて、急ブレーキをかけたところ、子どもが車内のどこかに頭をぶつけた経験のある人は手をあげてください」というとほとんどの人が手をあげるのです!自動車事故はいつ起こっても不思議ではありません。
 事故が起こったときのチャイルドシート使用の有無を比較すると、使用していなかった場合の致死率は4.5倍、重傷率は2.6倍と報告されています(警察庁)。時速40km/時でコンクリートの壁に衝突すると、その衝撃は3階から自動車を落としたときの衝撃とほぼ同じです。 10kgの子どもを抱っこしているとき、時速40kmで衝突の瞬間には体重の約30倍の300kgの荷重が腕にかかり、大人の腕で支えることは不可能なのです。大人の腕で子どもの身体を支えられるのは時速7km以下です。
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6−3 チャイルドシートの種類と購入時の注意
   チャイルドシートを選ぶときは、子どもの体格に合っているものを選ぶ必要があります。乳児用は体重10kg未満、身長70cm以下、幼児用は体重9〜18kg以下、身長65〜100cm以下、学童用は体重15〜36kg以下、身長135cm以下が基準となっています。 チャイルドシートにはいろいろな種類があり、一部の車には取り付けられないものもあります。チャイルドシートを購入する場合は、実際に自動車に取り付けてみて、うまく装着できることを確認してから購入する必要があります。また、国土交通省の型式認定をうけたものを購入し、安全性能試験(チャイルドシートアセスメント:http://www.mlit.go.jp)のデータも参考にしましょう。他の人から譲ってもらったチャイルドシートは、専門家によるチェックを受けることをお勧めします。商品の価格と安全性は必ずしも一致しません。
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6−4 チャイルドシートの取り付け場所
   1歳まで、そして体重が9kg を超えるまでは、チャイルドシートは進行方向後向き、45度の角度で設置します。それ以後は、後部座席に前向きに設置します。乳児において、進行方向後ろ向きにつける理由は重傷度を軽減するためです。衝突部位別の死亡重傷率をみると、全死傷者数では後突の割合が高くなっていますが、死亡重傷者に限ってみると、後突はほとんどなく、前突や側突の割合が高いのです。すなわち、死亡重傷にいたる事故を予防するには、前面や側面衝突時に乗員を守る施策が必要となります。乳児では骨格の形成が不十分なため、ハーネスだけで身体を支えるより、進行方向後ろ向きに設置して身体の背面全体で衝撃を受けるほうがよいのです。
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6−5 チャイルドシートの使用状況
   わが国では、2000年4月より、6歳未満の小児を自動車に乗せる場合にはチャイルドシートの着用が法的に義務づけられましたが、未だその使用率は低い状態にあります。2004年のチャイルドシートの着用率の調査では6歳未満の着用率は平均47.5%(0歳児は78%、1〜4歳児では約50%、5歳児では28.5%)と前年よりやや低下していました。
 「チャイルドシートを持っているのに使用しないことがある」と言う人に対し、どんなときに使わないかを聞いてみると「自動車に乗せる時間(距離)が短いとき」が56.3%で最も多くなっていますが、幼児が乗車時の事故の60%以上は、買い物などちょっとそこまでの外出時に起こっているのです。
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6−6 チャイルドシートの着用状況
   チャイルドシートは、適切に取り付けられていないと有効に働きません。わが国の調査によると、乳児用シート(後ろ向き取り付け)の背もたれ角度の調査(n=124)で角度が適切(45°)であったものは58.1%、幼児用シート(前向き取り付け)のぐらつきの程度の調査(n=1800)でしっかり取り付け(3cm以内のぐらつき)られていたものは29.1%でした。(2002年4月の警察庁と日本自動車連盟(JAF)による調査)
 チャイルドシートの取り付け方の基本は、取り扱い説明書をよく読むことです。取り付け方に不安があれば、チャイルドシートの取り付け講習会に参加されることをお勧めします。
 実際にチャイルドシートをうまく取り付けることはなかなかむずかしいのが現実です。アメリカでは国家資格としてチャイルドシート着用指導員を養成しています。日本ですぐにそのような制度を作ることはむずかしいかもしれませんが、例えば消防隊員の訓練コースの中にチャイルドシートの着用実習を必修化することなどが考えられます。
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6−7 道路交通法違反の取り締まり状況
   チャイルドシートの着用は義務化されているので、着用していない場合には行政処分の対象となります。
 平成16年の道路交通法違反の取り締まり状況をみると、90%を超える着用率のシートベルトでは332万件取り締まりがありました。一方、着用率が48%のチャイルドシートでは26,478件しか取り締まっていないのは、警察は「取り締まる気がない」と指摘されても仕方がないと思います。元の数値があまりにも低いので、前年に比べ86%も取り締まり件数が増加したといってもあまり意味がないと思います。
 本来、子どもの健康を守るために法的に義務化したことですので、法の適応を厳しくすべきと考えます。できれば点数告知ではなく罰金とすべきと思います。
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6−8 チャイルドシートを
嫌がる子どもはどうするか?
   人間が時速60km、あるいは100kmの速度で移動するものに乗るということは「非日常的」なことなのです。現在の車のシステムでは、チャイルドシートで身体を固定する以外にいい方法はありません。
 アメリカでは「30分間泣かせますか?」「それとも子どもの命を失いますか?」という標語もあります。きちんとした予防法があるのに、それをしないで子どもを自動車に乗せることは虐待であるといっている国もあります。
 アメリカのバージニア州では政府のプログラムとして、車に乗っている子どもがチャイルドシートに座っていないのを見つけたときは、その車のプレート番号を葉書に書いて警察に通報することも行われています。そこまでやっているところもあるのです。本当に子ども達が大切であると考えるのならば、社会はもっと積極的に子どもたちを事故から守る必要があると思います。
 子どもがどうしてもチャイルドシートに座らない場合には、自動車には乗せず、他の交通機関を利用するということも考えるべきと思います。
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6−9 いつでも、どこでも、誰もが、シートベルト、チャイルドシートを
   自動車の事故時の傷害を軽減させるためには、身体を車に固定することが必須です。どの年齢層でも、すなわち6歳以上であっても自動車に乗る場合には必ずジュニアシート、あるいはシートベルトを使用する必要があります。後部座席でもシートベルトを着用してください。もちろん、妊婦もシートベルトの着用が必要で、妊婦用に使うシートベルト補助具をつけて使います。
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文責/日本小児保健協会
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