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3 .児童・生徒の食育 |
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小学生を児童、中学生と高校生を生徒といいます。「学童期」は、満6歳から12歳までを、「思春期」は、二次性徴の始まりから完成までをいいますが、「思春期」は個人差が大きいので便宜上は中学校在学期間中とします。
児童・生徒期は、発育の盛んな時期にあたり、児童期の後半からは身体の成長・発育が急激に進みます。背丈や顔立ちなどの外見だけでなく、身体の内部にもさまざまな変化が起こり、性的に成熟が進んで身体的には一人前の大人へと近づきます。このような時期なので、身体にも心にも、十分な栄養が必要となります。 |
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3−1 間食・夜食
生活に合わせて適量と内容を決める |
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発育期の子どもにとって、間食は栄養上必要なものです。最近は、生活習慣病発症の低年齢化が問題になっていますが、その予防のためにも、おやつの量や質の管理は大切です。
おやつの時間は、子どもが学校から帰ってきてから夕食までの間が、健康上いいでしょう。家の中で動かずにスナック菓子を食べたりジュースを飲んだりしていると、身体に脂肪がたまってしまいます。「ながら食べ」は、虫歯にもなりやすいのでやめましょう。また、電車や車での移動中に、大人が、ダラダラとおやつを与えていることもあるので、食べ物は持ち歩かないようにしましょう。
学童期は、友達との買い食いもしたくなる年齢です。しかし、食べながら歩いているとそれに気をとられ、自転車にぶつかったりして怪我のもとです。人に迷惑がかからないようにすることも大切ですから、おやつを通してしつけ等を教えることも必要です。
夜、塾や習い事をする子どもたちも増えています。夜食の習慣は好ましくありませんが、受験生などの場合は、一時的なので、臨機応変に考えなくてはなりません。塾の時間帯によって、おやつを軽食にするのか夜食をとるようにするのか、親子で話し合う必要があるでしょう。普通、食事は一日3食ですが、一日の全体量を4食に配分するという方法もあります。 |
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3−2 朝食の欠食
食べると肥満を防ぎ脳の働きも活発に |
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大人になってからの朝食の欠食は、実は学童・生徒期から継続しているといわれています。欠食の原因は、夜更かし、夜食を摂る習慣、などが影響していますが、最近ではダイエットのために食べない、あるいは朝食の用意がされていない、などという理由を挙げる子どももいます。
朝食を摂らない弊害は多くあります。身体の筋肉を作るたんぱく質が減って筋肉ができにくくなり、脂肪が蓄積する方向に働くインスリンが増え、肥満になる可能性が高くなります。また、体温が上がりにくく午前中の活動が不活発になります。特に、脳には食事で得られる糖分がエネルギーになりますから、欠食するとエネルギーが不足し、脳の働きは鈍くなります。そのため、記憶力や集中力が低下し、さらには想像力も劣るという調査結果も出ています。
朝食をきちんと摂れば、生活リズムも整い、便秘も防げます。朝食の大切さを子どもに理解させ、自分で早く起きるように自立させることも必要です。
小学校高学年になると塾通いが増えて、ますます朝食を摂らなくなりがちなので、朝は、簡単に食べられるものを用意し、親子で一緒に食べるようにしましょう。一緒に食べることには、子どもの体調や気分などを感じることができるという利点もあります。 |
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3−3 外食
楽しく食べてマナーも教える |
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外食は、ふだんと違う雰囲気で食事をする楽しい時間。日頃忙しくしている親は、子どもとしっかり向き合って、たくさん会話を持つことができます。
子どもは、家では嫌がって食べない野菜も、外食でなら食べるようになったりします。その場の雰囲気で食べたり、いつもと違う味付けで食べたりできますから、親にとっては献立作りの参考にもなります。
また、あらたまった席は、子どもに公共でのマナーを教える場でもあります。静かにしていること、食器や食具の運び方、他人を気遣うことや迷惑にならないようにすることなどを教えることができます。
しかし、最近は、外食の回数が多くなりすぎることで、弊害も生まれています。一般的に外食は、高エネルギー、高塩分、高脂肪、食物繊維不足になりやすいといわれています。さらに、楽しいとたくさん食べすぎるので、肥満や生活習慣病の原因にもなってしまいます。多くの場合、大人の都合で外食になるので、家で落ち着いて食べたいともらす子どもさえいます。
高校生の外食は、家族以外の友人との触れ合いの場や空腹を満たす場になります。そのような場合、親は、子どもが何を食べたのか把握して、一日の栄養が過不足なく摂れるように献立を考えるようにしましょう。 |
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3−4 貧血
鉄分の吸収をよくする食べ方を |
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小学校の高学年から中学生にかけての成長の著しい時期には、血液量が増加するため鉄の需要が増して、鉄欠乏生貧血が多くなります。
女子においては生理による鉄分の喪失、不規則な生活による食事内容の偏りや過度なダイエット、胃・十二指腸潰瘍、ポリープなどからの消化管出血、運動量の過激なスポーツ、などが原因として挙げられます。
鉄欠乏による貧血は徐々に起こるため、症状が出にくいのが特徴です。症状は、顔色不良、疲れやすい、息切れ、動悸などのほか、貧血がない状態でも、注意力・作業能力・言語学習能力の低下などがみられます。
対策としては、吸収のよいヘム鉄を多く含む食品を摂るのが効果的です。ヘム鉄は、レバー、獣鳥肉類、魚介類に多く、鉄分は、ひじきや海苔、豆類、緑黄色野菜などに多く含まれています。鉄の吸収を良くするために、ビタミンCを多く含む果物、トマトジュース、野菜ジュースを補うことも必要です。
運動量の多い生徒は、十分な栄養と鉄を含む食品を意識的に摂るようにしましょう。 |
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