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学校伝染病
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【感染症と伝染病】 |
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ウイルス、細菌、寄生虫などの微生物が人や動物の体の中に侵入し、臓器や組織の中で増えはじめることを感染といい、宿った相手の体に様々な不具合(病気)を引き起こします。このようにして生じた病気を感染症といいます。
これらの病気のうち、インフルエンザ、コレラ、結核などのように、直接もしくは間接に人から人へ病気を引き起こす微生物が伝わることを伝染といいます。このようなタイプの感染症を伝染性感染症または伝染病といいます。
(感染症には破傷風のように、人から人へという形では伝わらない非伝染性感染症もあります。)
上のような特徴をもった伝染病を防ぐには、大きく分けると次の3つの手段があります。
- 感染源対策
感染源になる人や動物をまだその伝染病に対する抵抗力(免疫)をもたない人から離しておき、早く治療をすること。
- 感染経路対策
感染の元となる微生物が伝わるルートに対する方策として、感染源となっている物を遠ざけたり消毒することなどを行うこと。
- 感受性者対策
予防接種を受けたり、日頃から健康を保ち体を丈夫にするよう務めること。
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【学校伝染病とは】 |
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学校は人数の多い少ないはあるにしても、基本的には集団教育の場です。
集団教育のための学校環境を維持する上で、また子どもたちが健康な状態で教育を受けることができるようにするためにも、学校において伝染病の流行を予防することはとても大切なことです。
幼稚園(保育所についてはこちらへ)、小中学校、高等学校等に通う子どもたちの多くは、心も体も発育・発達の途上にあり、伝染病が発生した場合には短期間に学校中に広がりやすいといえます。また、そのように広がってしまった場合は、子どもたちが受ける教育上の影響が大きいことも考える必要があります。
以上の理由で、法律や規則で学校において予防すべき伝染病の種類を定め、その病気にかかった場合の出席停止の期間を決めて流行を抑える措置がとられています。
出席停止とは、出席とも欠席とも異なる特別の措置です。
このような伝染病のことを学校伝染病と呼んでいます。
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【学校伝染病の種類】 |
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学校伝染病は第一種から第三種まで大きく3つに分類されています(表)。
- 第一種学校伝染病
感染症予防法という法律で定められた一類および二類感染症で、感染力が強く、かかった場合に重くなる可能性が高いため、特に定められた病気群。
地球上のどこかで発生しても短期間に他の地域に広がる可能性があるので聞き慣れない名前の病気が多いですが、個別に列挙されています。航空網が発達した現代では万全の体制を備えておく必要があります。
- 第二種学校伝染病
くしゃみや咳などによる飛沫感染の形で人から人へ伝わるもので、子どもたちがかかりやすく、学校において流行を広げる可能性が高い伝染病。
- 第三種学校伝染病
学校教育活動を通じ、学校において流行を広げる可能性がある伝染病。
以上の学校伝染病とそれぞれの出席停止の基準をまとめると、次の表のようになります。
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表 学校で予防すべき伝染病と出席停止の基準
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対象疾病 |
出席停止の基準 |
第
1
種 |
エボラ出血熱 |
治癒するまで |
クリミア・コンゴ出血熱 |
重症急性呼吸器症候群(病原体がSARSコロナウイルスであるものに限る) |
痘そう |
ペスト |
マールブルグ病 |
ラッサ熱 |
急性灰白髄炎 |
コレラ |
細菌性赤痢 |
ジフテリア |
腸チフス |
パラチフス
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第
2
種 |
インフルエンザ |
解熱した後2日を経過するまで |
百日咳 |
特有の咳が消失するまで |
麻疹(はしか) |
解熱した後3日を経過するまで |
流行性耳下腺炎 |
耳下腺の腫脹が消失するまで
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風疹 |
発疹が消失するまで |
水痘 |
すべての発疹が痂皮化するまで |
咽頭結膜熱 |
主要症状が消退した後2日を経過するまで |
結核 |
伝染の恐れがなくなるまで
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第
3
種 |
腸管出血性大腸菌感染症 |
伝染の恐れがなくなるまで |
流行性角結膜炎 |
急性出血性結膜炎 |
その他の伝染病(注1) |
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(注1)「その他の伝染病」とは |
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学校で流行が起こった場合にその流行を防ぐため、
必要があれば校長が学校医の意見を聞き、第3種の伝染病として措置をとる
ことができる病気。 「その他の伝染病」について
出席停止の指示が出されるかどうか
伝染病の種類や各地域、学校における発生・流行の様子などをもとに判断されます。
- 出席停止の措置が必要となりうる伝染病の例
(条件によって)
溶連菌感染症、A型肝炎、手足口病、伝染性紅斑(りんご病)、ヘルパンギーナ、マイコプラズマ感染症、流行性嘔吐下痢症、など
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出席停止の措置は必要ないと考えられる伝染病の例
(通常)
アタマジラミ、みずいぼ(伝染性軟属腫)、伝染性膿痂疹(とびひ)など
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(注2)日常生活で頻度が高く、身近な問題となる伝染病 |
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第2種および第3種の伝染病といえます。
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【おわりに】 |
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病気を人からうつされるのも、うつすのも嫌なものです。
学校伝染病の流行を防ぐには保護者の方の注意が欠かせません。
上にあげた病気にかかったかなと思ったら、早めに診察を受けて下さい。
また、予防接種で予防できる病気で年齢的に接種可能なものは、集団生活に入る前に受けておくことが自分のお子さんのためでもあり他のお子さんのためにもなります。
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