大気が澄みわたる秋は、月が美しく見える季節です。昔からこの時期には、すすき(薄)を飾り、団子や秋の収穫物(里芋、豆・栗など)を供え、お月見が行われてきました。中でも旧暦8月15日、十五夜※(じゅうごや)の月は「仲秋の名月※(ちゅうしゅうのめいげつ)」と呼ばれ、格別に美しい月として好まれました。
また、旧暦9月13日、十三夜(じゅうさんや)の月も「後の名月(のちのめいげつ)」と呼ばれ、十五夜についで美しい名月とされました。 昔の人は、十五夜と十三夜のどちらか一方だけの観月を、「片見月(かたみづき)は縁起が悪い」として嫌い、二度の月見を良しとしました。
「仲秋(十五夜)のお月見」の起源は古く、平安時代に中国より伝わったとされ、嵯峨天皇が離宮(現在の大覚寺)に作らせた池に舟を浮かべ「池に映る月を観賞」したことが伝えられています。この京都「大沢池(おおさわのいけ)」の観月会は現代にまで受けつがれており、奈良「猿沢の池」、大津「石山寺」と並び、日本三大名月の地として知られています。
今年(2003年)の十五夜は9月11日、十三夜は10月8日。この両夜、子どもと一緒にゆったりと秋の夜の名月を眺めながら、月の神秘や宇宙に思いを馳せてみてはいかがでしょう。
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